品田遊『納税、のち、ヘラクレスメス』(朝日新聞出版)を読んだ! ウロマガで読んでいるものを紙で読み直す形になったわけだけれど、新鮮に面白かった。
「頻出ツイート100選」の記事に関する内容が収録されていて驚いた。記事の内容よりも、執筆の動機や、記事を消すに至るまでの思考回路が興味深い。当時リアルタイムで騒動を見ていたときも、失礼ながら日記の更新を楽しみにしていたことを思い出した。記事自体は消えたが、その周辺の話が紙に印刷して残されたのは良かったと思う。
半月くらい前の私が「日記を翌日に書く」という試みを1日だけやっていたが、これは本書18ページに収録されている「夜」から影響を受けていたわけですね。影響を自覚してもいたはずだが、なぜか当時の日記に「この本を読んでやってみようと思った」という旨をまったく書いていない。アイデアの盗用状態になっているじゃないですか。当時の私は何を考えていたのだろう。
トーベ・ヤンソン著、冨原眞弓訳『小さなトロールと大きな洪水』(講談社)も読んだ! 『納税、〜』を読んだ後、この勢いでムーミンも読み始めるぞ! と思い、真夜中に一気に読んだのである。一歩目を踏み出す勢いさえ付けられれば、読書は楽しい。
「ムーミン全集」の中では最後の9冊目になっているが、原作発表の時系列としてはこれが第1作。なんならトーベ・ヤンソンの小説家としての処女作がこれである(処女作という言葉はもう古いですか?)。
今回読んだのは2020年に発行された「新版」。日本語訳に手が加えられ、さらに読みやすくなっている。他のムーミン作品8冊では畑中麻紀さんが「翻訳編集」としてクレジットされているが、本書に関しては元々の訳者である冨原さんがご存命であり、自ら翻訳編集も行っているらしい。
ソフトカバーとはいえ単行本であり、文庫よりは高価格のためちょっと迷ったけど、やはり今から買うなら新版よね。旧版と読み比べたわけではないので詳しくは語れないが、確かに表現が古く感じるような箇所はなく、すらすら読めた。挿絵も大きくて満足。
これまでムーミングッズを買ったり、ファンクラブに入ったり、解説本を読んだりしてきたが、ついに原作小説の世界へ足を踏み入れた。思っていた通り面白かった! とくに本作は短めで、読み疲れもなく一気に読めた。
読みながらちょっと感じたのは、本文から「哲学的な良さ」を過剰に受け取ってしまわないようにしたい、ということだった。たとえば次に示す、ムーミンママの台詞(前掲書11ページ)。
どんなものでも、暗闇の中では、おそろしく見えるのよ
これは比喩でない文字通りの意味で、こわい動物と思いきや照らしてみるとスニフだった、というシーンの台詞である。ヤンソンはこの台詞を書くとき、戦争体験を想起したりはしていなかったと思う(これもまた勝手な想像ではあるが)。
なまじっかヤンソンについて知ったことで、自分でも気付かないうちに「考察・解釈モード」に入ってしまいそうで怖くなる。
関係ない誰かのツイートで「行間を読もうとする人をよく見るが、そもそも行を読めていない場合が多い」みたいな言説を見たことがあり、印象に残っている。素朴に物語を楽しむことも、また忘れずにいたいね。
今朝は10時過ぎに目覚めた。読書後、5時半とかに寝落ちしたと思う。また生活リズムがずれ始めていますね。戻してゆかねばならない。
メルカリの発送をした。トレーに置かれる発送者控えのレシートを、毎回忘れて店を出ようとしてしまう。今日も忘れて出ていこうとして「お客様〜!」と言われた。ここまで典型的な呼び止められ方は初めてだったな。恥ずかしかったけど、ちょっとテンションが上がりもした。世界の「登場人物」になれた気がする。
M-1の準決勝進出者が発表された! 今日まで一切追ってこなかったにわかだけど、やっぱりテンション上がるね。準決勝から注目してたら、なんとか中央値よりは上の興味を持っているということにならないだろうか。
3回戦の動画も今日初めて見た。ヤーレンズ面白すぎる。2年前の敗者復活戦(オズワルドが勝ち上がったとき)でヤーレンズ・令和ロマン・ダンビラムーチョに投票した私としては、この3組には引き続き頑張ってほしい。シシガシラも以前から好きだったので、去年の敗者復活も良かった。今年の色々も楽しみですね。
明日はTOMOOさんのライブ映像の映画館上映を観に行く。ライブの上映会に行くのは2020年の東京事変のやつ以来だ。楽しみ。
加えて、映画館の近くにある店へ高級ブックカバーを見に行くつもりでもある。買うかどうかは決めていないが、実物を見るとやっぱり惹かれるだろうな。こちらも楽しみ。